派遣社員が社会保険に加入する条件とは?社会保険の定義をおさらい

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派遣の仕事に興味がある場合「派遣社員は社会保険に入らなければいけないの?」「派遣社員の健康保険や福利厚生の仕組みがよく分からない」とさまざまな不安が浮かんでいるかもしれません。

そこでこの記事では派遣社員が社会保険へ加入する条件や、社会保険に加入する魅力を解説します。あわせて5種類ある社会保険の定義について改めて整理していきます

派遣社員への転職を検討している方や社会保険について知っておきたい方は、本記事を参考にしてみてください!

目次

派遣社員で社会保険に入りたくない?義務化されている?

派遣社員として働く際、社会保険に加入したくないと思っている方がいるかもしれません。「毎月の給与から社会保険が引かれなければ、手取り額が増えるのに…」と、一度は考えたことがあるでしょう。

派遣社員の社会保険への加入は、働く条件によって義務化されています加入するかどうかを自由に選べる訳ではないことを把握しておきましょう。社会保険への加入は、目の前の給与の手取り額が減るため一見マイナスに感じるかもしれませんが、将来や何かあった時のメリットは大きいです。

派遣社員が社会保険へ加入する条件

では派遣社員が社会保険へ加入する条件には、一体どのような項目があるのでしょうか。以下の4つの条件について詳しく確認していきます。

  1. 週の勤務時間が20時間以上
  2. 給与が月額88,000円以上
  3. 2ヶ月を超えて働く予定がある
  4. 学生ではない

これらの4つの条件を全て満たす必要があるので、1つずつチェックしていきましょう。

参考:厚生労働省|社会保険適用拡大対象となる事業所・従業員について

1.週の勤務時間が20時間以上

1週間の所定労働時間が20時間以上の派遣社員には、社会保険への加入義務があります。なお、ここで言う所定労働時間に臨時に生じた残業時間は含みません。

もし契約上の労働時間が20時間に満たない場合であっても、実労働時間が2ヶ月連続で週20時間以上となり、その後も続く見込みがある場合は、3ヶ月目から加入対象となります。

2.給与が月額88,000円以上

給与が月額88,000円以上であることは、社会保険への加入条件のひとつです。ここでいう給与は基本給と手当の合計額を指しています。残業代や賞与、通勤手当や臨時的な賃金などは、給与には含まれません

3.2ヶ月を超えて働く予定がある

派遣社員で2ヶ月を超えて働く予定がある場合、社会保険に加入することができます。あくまでも2ヶ月以上働く「予定」であれば良いため、実際に2ヶ月間働いた後でなければ社会保険に加入できないという訳ではありません。もし契約期間が2ヶ月以内であっても、更新により2ヶ月を超えることが契約書に記されている場合は、被保険者資格を得ることができます

4.学生ではない

学生ではないことが社会保険に加入する条件のひとつです。つまり学生は他の条件を満たしていても、社会保険に加入することができません。

例外として学生であっても、休学中であったり定時制の学校に通っていたり、さらには通信制の学校に所属している場合は、社会保険の加入対象となります。

5種類ある「社会保険」の定義

そもそも「社会保険」と一口に言っても、何を指しているのか詳しく整理しておきたいものです。そこでここからは社会保険の5種類である「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」「雇用保険」「労災保険」について、1つずつ確認していきます

1.病気やケガをした際に助けがある「健康保険」

健康保険とは、病気やケガをしてしまった時に金銭的なサポートが受けられる医療保険制度です。働く人が病気やケガをしてしまった時、医療機関での診察や投薬の費用が補助されます

他にも高額な医療費を支払う機会は突然訪れます。また女性であれば出産をするタイミングが来るかもしれません。そういった大きな出費が発生する時に、健康保険に加入していれば費用の一部の補助が受けられます。お金の心配を少しでも減らして、安心して治療に専念できる制度といえるでしょう。

国民健康保険と比較すると、健康保険は派遣会社が半分の保険料を負担してくれることがメリットです。国民健康保険と比較すると、より魅力を感じやすいかもしれません。

2.65歳以上で受け取れる「厚生年金保険」

改めて厚生年金保険とは、労働者が65歳以上になった際に受け取れる年金制度です。厚生年金保険の適用を受ける事業所に勤務する70歳未満の派遣社員が、厚生年金保険を掛けることができます。

厚生年金保険は、老齢基礎年金つまり国民年金として掛けた部分に上乗せされる「老齢厚生年金」です。つまり厚生年金保険を掛ける額が多いほど、将来受け取る年金は増額されます。厚生年金保険はその他にも、加入者が障害を負った時に支給される「障害厚生年金」や、加入者が亡くなった時に家族が受け取れる「遺族厚生年金」の給付が受けられます

厚生年金保険は、健康保険と同様に派遣会社が保険料の半分を負担してくれる点が魅力です。

3.将来介護を受ける際に助けられる「介護保険」

介護保険とは高齢者やがん、関節リウマチなどの特定疾患を抱えている、介護が必要な人を支えるための保険制度です。介護保険制度は、介護を必要とする高齢者の増加や核家族化の進行などによって、社会全体で介護を支えることを目的に2000年に創設されました。老後の不安の原因や介護離職を失くすことを目指しています。訪問介護や訪問看護、福祉用具の貸与、デイサービスなどあらゆる介護サービスで利用可能です

加入対象者は40歳以上の健康保険加入者で、加入は必須となります。また介護保険料は40歳から64歳までであれば、派遣会社が半分を負担してくれます。65歳を超えると、介護保険料は全額自費負担となります。

4.失職した際に助けられる「雇用保険」

雇用保険は労働者が失業・休業する時に給付することで、雇用の継続や就職の促進を図る保険制度です。保険料は健康保険や厚生年金保険と比べて、労働者の負担割合が低いことが特徴です。

雇用保険は失業した後、次の仕事が決まるまで失業給付を受けられます。仕事探しの間、お金に困ることがないように考えられた制度です。また再就職を果たすとお祝い金が受け取れる「再就職手当」も完備されています。さらに資格やITスキルの習得を目的としたスクールに通う費用が負担される「一般教育訓練給付金」や「専門実践教育訓練給付金」なども受給可能です。

また他にも育児休業中に申請可能な「育児休業給付金」や、介護で仕事を休む時に申請可能な「介護休業給付金」も雇用保険から給付されます。雇用保険には、多くの失業中・休業中の方が利用できる制度が整っています。

5.業務の中でケガをした際に助けられる「労災保険」

労災保険は労働者が勤務中または通勤途中にケガをした際に、保険給付が受けられる制度です。保険料は原則として、派遣会社が全て負担する形式となっています。また労災保険は企業の規模や労働者の職種、雇用形態を問わず全ての人に適用されます。

労災保険の対象であれば、勤務中や通勤途中にケガをして医療機関を受診する場合、無料で治療が受けられます。加えて仕事に行けない日の給料の約8割が支給されます。他にも障害が残った場合、年金または一時金を受け取ることができたり、労働者が死亡した場合には遺族に年金または一時金を支払います。健康に働いていれば使うことはありませんが、非常に手厚い制度が整っています。

派遣社員が社会保険に加入する魅力

「社会保険に加入すると損にならないの?」などの疑問を持つ方へ向けて、ここからは派遣社員が健康保険に加入する魅力について、以下の3点から紹介していきます

  1. 将来の備えになる
  2. 何かあった時に金銭的に困らない
  3. 派遣会社が保険料の一部を負担してくれる

社会保険の魅力を把握して、納得した上で派遣社員として働くことをおすすめします。

1.将来の備えになる

社会保険に加入すると将来の備えになり、安心して働き続けられます。厚生年金を掛けていれば、65歳以上になると年金が受け取れます。若い頃のように働かなくなっても、安心して生活できるように老後の備えをすることができます。

他にも将来の備えという意味では、雇用保険も該当します。雇用保険を掛けていれば、企業業が倒産して失業してしまった場合や自己都合で会社を退職した場合でも一定の給付金が受け取れます。生活費の足しにしながら、仕事探しに取り組めます。

2.何かあった時に金銭的に困らない

社会保険に加入していれば、不測の事態に陥った時にも金銭的に困らず、日常生活に専念できます。そもそも社会保険とは、相互扶助の精神に基づいて働く中でケガや病気、死亡などによって生じる生計の破綻を防ぐために一時給付を行い、生活を守る公的制度です。例えばケガをした際に高額な医療費の負担が防げたり妊娠した際に一時金が受け取れたりするので、自費負担を減らすことができます。他にも勤務中や通勤中にケガをした際に、労災保険を利用すれば医療費を全額負担してくれます。ケガや病気をしても、治療に専念できる環境が整っています。

3.派遣会社が保険料の一部を負担してくれる

社会保険料は、派遣会社が一部負担してくれる点が魅力です。例えば健康保険の場合、派遣会社が半分の保険料を負担してくれます。個人が全額を負担する国民健康保険と比較すると、健康保険から大きなメリットが感じられます。

厚生年金保険に関しても、派遣会社が保険料の半分を負担してくれます。さらに雇用保険は保険料の大半を負担してくれて、労災保険は全額負担してくれます。働く人のサポート体制は広く整っているといえるでしょう。

派遣社員が社会保険で気を付けるべきポイント

ここからは派遣社員が社会保険で気を付けるべきポイントを、以下の3点から紹介していきます

  1. 派遣会社の待遇や福利厚生を確認する
  2. 扶養内で働く際は年収額に注意する
  3. 退職後は国民健康保険へ自分で切り替える

社会保険への加入時に思い出せるように、ポイントを覚えておきましょう。

1.派遣会社の待遇や福利厚生を確認する

派遣社員は派遣会社の社会保険や福利厚生、待遇などが適用されるので、実際に働く企業のルールは無関係となります。派遣社員は派遣会社と契約して、各企業に派遣される流れです。したがって給与や有給休暇、社会保険などは、契約する派遣会社のルールとなります。

ただし毎日通勤して、実際に働くのは派遣先の企業です。有給取得時には上司や同僚にきちんと伝えたり、働く中での細かいルールは合わせるようにしたりして配慮するように心掛けましょう。

2.扶養内で働く際は年収額に注意する

派遣社員が扶養内で働くと、社会保険料を支払う必要はありません。しかし「年収の壁」と言われる106万円、つまり月額88,000円を超える場合、社会保険料の支払い義務が発生します。他にも1週間の労働時間が20時間以上である、2ヶ月を超えて働く予定があるなど全ての条件に当てはまる際に、社会保険への加入が義務付けられています。

社会保険に関する年収の壁は106万円だけではありません。年収130万円を超えると、他の条件は無しに扶養から外れてしまい支払いの義務が生じます

3.退職後は国民健康保険へ自分で切り替える

派遣社員として働いていた方が退職した場合、国民健康保険へ自ら切り替える必要があります。ルールとして退職日から14日以内に「健康保険資格喪失証明書」などの退職日の分かる書類を、住んでいる地域の役場に持っていかなければなりません

また退職後の選択肢として、派遣会社の健康保険を任意継続する方法もあります。派遣会社の社会保険制度や福利厚生に魅力がある場合、選択肢に入れましょう。ただし任意継続ができる期間は最大2年間であることと、保険料を全額負担しなければならないことを把握しておきましょう。

まとめ:派遣社員であっても将来への備えが可能!

派遣社員は「1週間の勤務が20時間以上」「給与が月額88,000円以上」といった条件を満たす場合、社会保険への加入が義務付けられています。社会保険への加入はケガや病気をした時の安心材料になる、将来受け取る年金が増額されるなど、さまざまな魅力があります。社会保険制度は、正社員だけでなく派遣社員も充実しているので、ぜひ働く選択肢に入れてみてください。

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著者

キャリア系ライターとしてさまざまなWebメディアで執筆中。自身がキャリアに悩んだ経験をブログに綴っていく。

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